
「クレジットカードの審査ってなにを見られているんだろう?」
「クレジットカードの審査になんで落ちたの?」



まずはクレジットカード審査の仕組みと審査落ちした理由を知るのが大事です!
クレジットカードを申し込む際には必ず所定の審査がカード会社によって行われます。
審査について何が行われているか、実際のところはよく知らない人も多いでしょう。とくにはじめてのクレジットカード申し込みのときは「自分でも問題なく審査に通るのか」と気になります。
- クレジットカードの審査でチェックされる項目
- 審査落ちの理由
- 審査に落ちたらどうなるか
- 審査落ちしたときの対処法
クレジットカードの申し込み時に行われる審査に落ちると、クレジットカードを発行できないだけでなく今後の申し込みにも影響があります。
本記事ではクレジットカードの審査時にカード会社がどんな項目をチェックしているのか、また審査にもし落ちてしまった場合の考えられる理由や対処方法について解説しています。
クレジットカードの審査で見られる項目



クレジットカードの審査では何を見られてるの?



自己申告した内容とデータベースに登録されている履歴の2つから総合的に判断しています!
申し込み時に自己申告した属性情報
属性情報とは、クレジットカード申し込みの際に必ずチェックされる個人情報のことです。
クレジットカードを作る際に入力した情報が属性情報に該当します。
氏名・年齢 | 本名・生年月日 |
住所 | カードが届く住所 |
居住形態 | 持ち家・賃貸・分譲など |
居住年数 | 現住所の居住年数 |
世帯人数 | 生計を同一にする人数 |
電話番号 | 固定電話もしくは携帯電話番号 |
勤務先(または職業) | 勤め先の正式名称(または主婦・学生など) |
勤務先の住所 | 派遣先・支店先などがある場合にはそちらを記載 |
勤務先の電話番号 | 支店・部署など本人に繋がりやすい電話番号 |
勤続年数 | 現勤務先での勤続年数 |
年収 | 現勤務先での年収(手取りでなく額面) |
世帯年収(または配偶者年収) | 生計を同一にする家族の総年収 |
他社借り入れ | 無担保融資の借り入れ件数と金額 |
現在の貯蓄 | 世帯の貯金額 |
ショッピング枠の希望 | 希望がある場合には記入 |
キャッシング枠の希望 | 希望がある場合には記入 |
クレジットカード会社は、記載された項目ごとに点数付け(スコアリング)を行い、クレジットカード発行可否や限度額をチェックします。
クレジット会社は、消費者の支払い能力を超えるクレジット契約を結ぶことはできません。このため、消費者とのクレジット契約を行う際、消費者の収入やクレジット利用実績などに応じた「支払可能見込額」を調査することがクレジット会社に義務づけられました。
政府広報オンライン より



スコアリングのイメージが付かないけど



たとえば、勤続年数3年以上だと加点、勤め先が上場企業なら加点、他社借り入れが多いと減点といったイメージです。最終的な点数が何点以上なら属性審査通過と決められていることが多いです!
個人信用情報機関に登録されているクレジットヒストリー(クレヒス)
クレジットヒストリー(クレヒス)とは、クレジットカードやカードローンなどの利用履歴のことを指します。
各カード会社は審査時に必ずクレジットヒストリーを確認し、審査においても重要な指標としてチェックします。
- いつどのカードを申し込みしたのか
- 返済はしっかりと行えているか
- 延滞はいつされたか
- 解約されたのか
クレジットヒストリーは個人信用情報機関にデータとして登録されており、カード会社・銀行・消費者金融などの加盟業者は他社での利用履歴を含めて閲覧ができます。



開示請求をすれば自分のクレジットヒストリーを確認することもできます!
申し込み時に自己申告した属性情報とは異なり、嘘や主観的な情報ではなく客観的なデータとなるため改ざんすることはできません。
また、一度登録された情報は5年は記録されるため、過去に事故(延滞やトラブルなど)を起こすとクレジットヒストリーが消えるまでの期間は他社での審査が厳しくなります。



個人信用情報機関ってなに?
個人信用情報機関は3つあり、クレジットカード会社はいずれか・もしくは複数に必ず登録をしています。
シー・アイ・シー(CIC) | クレジットカード会社・消費者金融・信販会社 |
日本信用情報機構(JICC) | クレジットカード会社・消費者金融・銀行 |
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 銀行・信用金庫 |



クレジットカード会社はCICには必ず登録しています!
個人信用情報機関の3つはCRIN(クリン/Credit Information Network)と呼ばれるネットワークで、それぞれに登録された情報は各社が見れる状態でシェアされています。
CRIN(Credit Information Network)とは、当社および全国銀行個人信用情報センター、株式会社日本信用情報機構の三機関間で行っている交流ネットワークです。
CICホームページ より
それぞれの信用情報機関が保有する信用情報のうち、延滞に関する情報および各信用情報機関にご本人が申告した本人確認書類の紛失盗難に関する情報などを交流しています。
各信用情報機関の会員会社は、加盟する信用情報機関を通じて、この「CRIN」を利用することにより、消費者への過剰貸付の防止、多重債務者の発生防止に、より一層の効果をあげることができます。
カードローンはもちろん、携帯電話や車のローンなどもトラブルがあるとクレジットカードの審査に影響を及ぼす可能性があります。
クレヒスについて詳しく知りたい人は以下の記事で解説しています。


クレジットカードの審査に落ちる理由と対処法



クレジットカードの審査に落ちる理由はなに?



審査に落ちた理由は開示してもらえないけど、落ちやすい項目は申し込み時の入力ミスや属性審査で落とされるもしくはクレヒスで引っかかったかのどれかです!
安定した収入がない
クレジットカードの審査では安定した収入があるかを重要視するため、収入が不安定な人は審査に落ちやすくなります。
4月の収入は50万円あるのに5月の収入は0円の人
→収入が安定していないと判断されて審査にマイナス
毎月確実に10万円の収入がある人
→金額的には少ないものの収入は安定しているの審査にプラス
クレジットカード会社としては毎月の安定した返済をしてくれるユーザーを会員にしたいと考えるため、収入に大きな波がある人は審査に通りづらくなってしまいます。
- アルバイトでもいいので安定した収入を得る
- (自分で安定した収入が難しいとき)家族カードを発行してもらう
どうしても安定した収入が難しい場合には、両親や配偶者などの身近な親族でクレジットカードを持っている人がいれば家族カードを発行してもらう手段もあります。家族カードであれば本会員とおなじく利用することができます。


クレジットヒストリーに傷が付いている
クレジットヒストリーに返済遅延などの事故歴がある人は、審査落ちする可能性が非常に高くなります。他社での事故歴は審査で大きなマイナス要因となるためです。



他社でトラブルがあったら自社でも…と疑われてしまいます!
一般的に3ヶ月以上の返済遅延を起こすと信用情報機関に延滞情報が登録されるといわれています。



一回でもトラブルがあったら一生データに残るの?
登録された事故歴は生涯データに残るわけではなく、一定の期間が経過すると削除されます。
長期延滞 | 代位弁済・契約解除・債務整理 | |
---|---|---|
CIC | 延滞解消から5年 | 5年 |
JICC | 延滞解消から5年 (2019年3月30日以前の契約は1年) | 5年 |
KSC | 5年 | 5年 |
過去に3ヶ月以上の長期延滞経験がある人は、遅延情報の解除に5年(JICCの場合、2019年3月30日以前の契約分は1年)かかってしまいます。
また、ローンを肩代わりしてもらう代位弁済や、契約不履行による契約解除、債務整理などでも5年以上ものあいだ事故情報として登録されます。
- 過去の事故から5年以上経ってから新しいクレジットカードに申し込む
- 自分のクレジットヒストリーを確認する
自分のクレジットヒストリーは各情報機関で確認することができます。
クレジットカード会社は、主にCICまたはJICCに加盟していることが多いため、自分の取引履歴を覚えていないという人はCICやJICCで照会してみると良いでしょう。
他社でローンの融資を受けている
他社でのローン借り入れがあると、カード会社に支払い能力を疑われてしまってクレジットカード審査が厳しくなります。
例えば、消費者金融でカードローンを利用している人の場合、カード会社側からすると「お金に困っているのではないか」と思われてしまいます。
とくに複数の金融機関から借金を重ねる多重債務に陥っている場合には、新たなクレジットカード契約が極めて困難となります。
- 他社で借り入れしているローンを返済する
- 複数の会社で借り入れをしているときは一本化する
対策としては、まずは借金を返済するところから始めてみましょう。
他社での借入を完済することで信用を得やすくなり、クレジットカード審査に通りやすくなります。
虚偽もしくは誤りのある本人情報を記載した
虚偽の本人情報でクレジットカードの申し込みをした場合には高い確率で審査に落ちてしまいます。
というのも、申し込み時に記載した本人情報は信用情報機関に照会することでカード会社は正確な情報を知ることができるためです。
他社での借り入れが50万円のところを0円と記載
→個人信用情報機関に問い合わせをすれば虚偽が発覚
勤務先を自分の会社ではなく上場企業にして申告
→電話で在籍確認をされて虚偽が発覚
また、よくあるパターンとして虚偽(わざと)ではなく誤った情報で申し込みをして審査落ちするケースもあります。
申し込み資格が20歳以上のカードに19歳の大学生が申し込む
→申し込み資格を満たしていないため審査落ち
以前に住んでいた住所で申し込む
→クレジットカードが郵送で届かずにカード会社に差し戻されて審査落ち
クレジットカードを作るときには、しっかりと申し込み資格や入力した内容を確認してから申し込みをするようにしましょう。
- 意図して虚偽の内容で申し込みをしない
- 申し込みする前に入力内容や申し込み資格をしっかりとチェックする
虚偽の申し込みでクレジットカードを作ることができても、あとから間違いや虚偽が発覚した場合は利用停止や強制解約、最悪の場合詐欺罪での通報も検討されてしまうため注意しましょう。
審査の厳しい上位カードに申し込みしている
基本的にゴールドカード以上は一般カードと比べて審査難易度が上がるため、審査の厳しい上位カードに申し込んでいる場合には審査落ちの可能性が高くなります。



一般カードであればカード会社のスコアリングでクリアできていたとしても、ゴールドカードを申し込みしたことによってスコアが足りずに審査落ちしてしまうこともあります!
例えば、「デルタ スカイマイル TRUST CLUB ゴールドVISAカード」は入会の目安を25歳以上・年収400万円以上としています。
このようにゴールドカードに申し込んだ場合は、審査の基準自体を満たしていないという理由で審査落ちすることもあるでしょう。
とはいえ、近年ではゴールドカード全体の基準が緩やかになってきており、三井住友カードゴールド(NL)では、申し込み基準を「満20歳以上の安定継続収入がある方」としています。
上位カードで審査を受けたい人は、基準が緩やかなクレジットカードで申し込みするようにしましょう。
- いきなりゴールドカード以上ではなく、一般カードから申し込みをする
- 入会資格に年収制限が設けられていないカードを選ぶ
一般カードであっても、将来的にはインビテーションで上位カードを狙うことも可能です。
いまは審査に通ることが難しそうと思った場合には、一般カードでクレヒスを貯めるようにしましょう。
複数のクレジットカードを短期間で申し込みした
短期間に複数のクレジットカードを申し込みすると、申し込みブラックと呼ばれる状態になり審査落ちにつながりやすくなります。



クレジットカード会社から要注意しなくてはいけない人物だと認定されてしまいます!
クレジットカードを短期間で複数枚発行する人は、発行後に途端に返済が滞る可能性が高くなります。また、犯罪などに使用されるリスクなども考慮されています。
- 以前の申し込みから6ヶ月以上の期間を空ける
- 6ヶ月以内に3枚以上のクレジットカードに申し込みをしない
クレジットカードの申込履歴は先ほど紹介した信用情報機関(CIC、JICC、KSC)に6ヶ月間残ります。
そのため、6ヶ月以内にクレジットカードの審査に落ちた場合には半年以上の期間を空けてから新規のカード申し込みをするようにしましょう。
キャッシング枠に希望額を設定した
キャッシング枠とはクレジットカードでATMから現金が引き出せる仕組みのことです。一般的なクレジットカードの利用はショッピング枠といい、キャッシング枠は希望した場合のみ追加することができます。
このキャッシング枠を希望したことが、審査落ちに影響している場合があります。というのも、キャッシング枠の希望額によっては総量規制に抵触してしまう可能性があるためです。
過度な借入れから消費者の皆さまを守るために、年収などを基準に、その3分の1を超える貸付けが原則禁止されています(総量規制)。例えば、年収300万円の方が貸金業者から借入れできる合計額は、最大で100万円となります。
日本貸金業協会 より
総量規制ではキャッシングの限度額を年収の3分の1までと定めています。そのため、キャッシング枠の希望額が年収の3分の1を超えていると審査落ちしてしまいます。
年収300万円の人がA社でキャッシング枠を50万円、B社で20万円、C社で30万円設定
→D社で20万円のキャッシング枠を希望しても年収の3分の1である100万円を超過するため、発行することができません。
また、キャッシング枠を希望した時点でお金に困っているという印象をカード会社側に持たれてしまいます。クレジットカードの審査が不安な人は、キャッシング枠を0円に設定することをおすすめします。
- 利用していないキャッシング枠は0円に設定する
- キャッシング枠を利用している場合は早期返済をする
クレジットヒストリーがない
じつはクレジットヒストリーがまったくない人は審査に落ちやすいとされています。



過去にトラブルや事故もないのになんで審査に落ちるの?
クレジットカードやローン、スマホ本体の分割払いなどは、しっかりと返済をすることで個人信用情報機関にクレジットヒストリーが残ります。
ところが、クレジットカードやローンを持っていない・使っていないなどで利用履歴がまったくない場合には個人信用情報機関にはクレジットヒストリーがありません。



このような状態をスーパーホワイトと呼び、一見すると審査に有利に働くと思われがちですが、実際にはカード会社からするとネガティブな印象を持たれてしまいます!
クレジットカードやローンで返済ができず、自己破産した人は新規のローン契約やクレジットカードの発行ができないまま5年経過すると信用情報がすべて抹消されます。
クレジットカード会社からすると、スーパーホワイト状態の人と自己破産から5年経過した人は、信用情報機関上では同じ「返済履歴なし」として判断されてしまうためです。
とくに現在では、20代や30代でローン経験がない人は滅多にいないため、カード会社側に自己破産を怪しまれてしまいます。
- スマホやタブレットの分割購入などでクレヒスを作る
- スーパーホワイト状態から脱却する